NIPT検査開始のおしらせ

NIPT検査について

10月よりNIPT検査を開始いたします。

  • NIPTの概要

    NIPT はおなかの中の赤ちゃんが染色体疾患をもつ可能性をみるための検査です。検査対象となる染色体疾患は21、18、13トリソミーです。妊娠10 週以降に妊婦さんから約10 mlの血液を採取して、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して結果を出します。結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。検査結果が「陽性」の場合には、羊水細胞や絨毛細胞を用いた確定検査が必要です。また、「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります

  • NIPTでわかること

    生まれて来る赤ちゃん100人中に3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。この中で染色体が原因の疾患は約25%で、NIPTの検査対象である21、18、13トリソミーは、その約70%です。NIPT は21、18、13トリソミーの染色体疾患の可能性を調べる検査で、すべての先天性疾患がわかるわけではありません。

  • NIPTの結果について

    NIPT「陽性」とは、3つのトリソミーのうちいずれかの可能性が高いという結果です。この検査では診断を確定できません。診断を確定するためには羊水検査を受ける必要がありますが、300分の1程度の確率で流産が起こります。「陽性」でもその染色体疾患ではない場合もあります(偽陽性といいます)。「陽性」の場合、結果に関する詳しい説明やその後の対応について遺伝カウンセリングを受ける必要があります。

    NIPT「陰性」とは、3つのトリソミーの可能性が低いという意味です。3つのトリソミーでない確率はいずれも99.9%以上ですが、100%否定できるわけではありません。非常にまれですが、陰性の結果がでたとしても染色体疾患のある場合(偽陰性)があります。3つのトリソミー以外の先天性疾患もあるため、「陰性」だとしても、赤ちゃんに病気などがないことを示すわけではありません。

    NIPT「判定保留」とは、「陽性」か「陰性」かの判定ができないという結果です。0.3~0.4%ほどの確率で「判定保留」となることがあります。その後の対応(再度NIPTを行う、NIPTでの検査をあきらめる、羊水検査などを行うなど)について再度相談する必要があります。再検査の場合、費用はかかりません。

NIPT検査の特徴

1.赤ちゃんへのリスクがない

ママの採血だけで、生まれる前の赤ちゃんの一部の染色体異常を検査できます。流産などのリスクがなく、安全に行える検査です。

2.早い時期から診断が可能

NIPTは妊娠10週頃から検査可能です。他の非確定検査は早くても妊娠11週頃からの検査となるため、早い時期からの検査が可能となります。
3.診断制度が高い従来の非確定的検査では、21トリソミーの検出率はクアトロテストやコンバインド検査で約80%程度となります。対して、NIPTでの21トリソミーの検出率は99%と精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患(21・18・13トリソミー)をより正確に発見することができます。
NIPT検査は精度の高い検査ではありますが、検査結果が陽性であっても実際に赤ちゃんが染色体数異常であるとは限りません。この検査で陽性とでた場合は必ず、羊水検査による確定検査を行う事が必要となります。

NIPTを受ける前にもう一度確認していただきたいこと

検査前の遺伝カウンセリングを通じてこの検査のことをよく理解し、ご自身とパートナーにとって必要があるかどうか十分に考えて納得したうえで、検査を受けるかどうかを決めてください。NIPTを受けても受けなくても、お二人で十分に検討された意思決定は最大限に尊重されます。

  • 料金
    遺伝カウンセリング  11,000円
    NIPT検査 88,000円
  • その他

    生まれて来る赤ちゃん100人中に3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。この中で染色体が原因の疾患は約25%で、NIPTの検査対象である21、18、13トリソミーは、その約70%です。NIPT は21、18、13トリソミーの染色体疾患の可能性を調べる検査で、すべての先天性疾患がわかるわけではありません。

  • NIPTの結果について

    一旦同意書を提出されても、検査前にはいつでも取り消すことができます。
    いかなる場合においても採血検査施行後は費用の返金はできません。
    検査結果は約10日後に出ます。受診していただき外来で結果の説明を行います。
    当院および検査の委託先では、個人情報は適切に取り扱い、情報の保護に留意します。
    当院での検査結果は、個人情報を含まない形で運営委員会に定期的に報告されます。また、学会や論文発表に検査結果を使用することがあります。ご了承下さい。
    当院は出生前検査認証制度等運営委員会において、NIPT を実施する連携施設として認証されております。

    図3
    https://jams-prenatal.jp/

    また、期間施設の三重大学医学部附属病院と連携して対応をしております

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)受診の流れ

遺伝カウンセリング予約
受診時もしくは電話で検査前遺伝カウンセリングの予約をお願いします。
受診時に遺伝カウンセリングを予約された方には同意書をお渡しします。
また、電話予約の方はリンクより同意書のダウンロードをお願いします。
火・金曜日 午後16時~17時 3組/時間

図3

遺伝カウンセリング
遺伝カウンセリング受診の前に、必ず事前学習ビデオ、NIPT説明書 を確認ください。
学習ビデオについては、必ずご夫婦で視聴をお願いします。ご自宅等で解説動画が閲覧できない方は、来院後にご覧いただきますので、ご予約の30分前にご来院ください。
可能であれば、ご夫婦で来院いただき、当院医師によるカウンセリングを行います。
*パートナーの同伴は必須ではありませんが、必ずお二人で事前にビデオ受講をお願い致します。
その上で、同意書でご夫婦の意思確認をさせていただきます。

図3

採血検査
同意書を確認の上、採血検査を施行します。
カウンセリング同日の採血検査をご希望の方は、事前に同意書の用意をお願いします。

図3

検査結果説明
約10日後に結果の説明を行います。当院に受診していただき外来で結果の説明を行います。

NIPT事前学習資料および同意書

出生前診断について

出生前診断の種類と時期

1.初期胎児超音波スクリーニング検査

妊娠11週0日~13週6日に赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)、鼻骨の有無、静脈管血流、三尖弁血流を評価し、21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。超音波検査所見からリスク計算を行い当日に結果を説明いたします。胎児の向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。

2.コンバインド検査

妊娠11週0日~13週6日に2つの母体血清マーカー(free βhCG・PAPP-A)を採血で調べ、超音波検査による赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)の結果と組み合わせて21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。
オスカー検査(OSCAR:One-Stop Clinic for Assessment of Risk)とも言われています。結果は2-3日で出ますので、後日外来で説明を行います。胎児の向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。

3.クアトロテスト

妊娠15週頃から行う採血検査です。母体から4つの血清マーカー(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を採血で調べ、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形に罹患しているリスクを計算する検査です。結果は10~14日程度で出ますので、後日外来で説明を行います。

4.NIPT

妊娠10週以降に行う検査です。検査対象となる染色体疾患は21、18、13トリソミーです。妊婦さんから約10 mlの血液を採取して、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して結果を出します。結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。検査結果が「陽性」の場合には、羊水細胞や絨毛細胞を用いた確定検査が必要です。また、「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります。

5.羊水検査

妊娠15週頃から行う検査です。母親のお腹に針を刺して羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞から遺伝子を検査します。経腹超音波検査により子宮内を見ながら、子宮の血管、赤ちゃんやへその緒、胎盤を避けて安全面に気をつけて行います。痛みや出血、感染症、破水などのリスクがあり、流産のリスクが0.3%程度といわれています。
  • 1.2の検査を行う担当医は、胎児評価を行うためのFMF(The Fetal Medicine Foundation)認定ライセンスを保有しています。
  • 1.2.3.4の検査は非確定検査であり、5が確定検査となります。非確定検査で異常を認めた場合、確定検査を行うことを推奨しております。
  • 1,2検査は完全予約制となります。外来受診時に担当医師にご相談いただくか、電話での予約をお願いします。
    毎週木曜日午後15時~17時 1名/時間
  • 4の検査は遺伝カウンセリング後に採血検査となります。外来受診時に担当医師にご相談いただくか、電話での予約をお願いします。
    遺伝カウンセリング 毎週火・金曜日午後16時~17時 3名/時間

diagnosis-table

※表クリック、タップにて拡大でご覧いただけます。

料金表

検査時期 料金(税込)
初期胎児超音波スクリーニング検査 11週~13週 22,000円
コンバインド(オスカー)検査 11週~13週 33,000円
クアトロテスト 15週~ 27,500円
羊水検査 15週~ 130,000円
NIPT 10週~14週 遺伝カウンセリング11,000円
NIPT検査88,000円

初乳について

空が澄み、気持ちいい秋風が吹き渡るころとなりました。
金木犀の香りに四季の移ろいを感じる今日このごろです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は「初乳」についてお話させていただきたいと思います。

 

「初乳」とは免疫成分や栄養を多く含んだ、赤ちゃんが生まれてから最初のころに出る母乳の事を言います。
赤ちゃんにとって初乳が良い理由はまず、初乳には消化しやすいタンパク質が多く含まれていて栄養価が高いことです。
そして初乳に含まれた免疫成分には、生まれてきた赤ちゃんへのウイルスや細菌の侵入を防ぎ、赤ちゃんを病気から守る役割があります。
初乳の出を良くするためには妊娠中に栄養バランスの良い食事を摂る、急速をしっかりと取る、ことなどがあげられます。
また、出産後なるべく早めに赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうと初乳の出が良くなるとされています。
あまり吸わないなと思っても、おっぱいを赤ちゃんが舐めているだけでも乳頭への刺激がママの脳へ伝わり、母乳の分泌が活発になります。

 

初乳が出る量には個人差があります。
量が少なくても免疫成分やタンパク質が多いため、赤ちゃんをウイルスから守る役割が期待できます。

 
出産後、授乳の時間がお母さんと赤ちゃんにとってより良いものとなりますようスタッフ一同精一杯サポートさせていただきます。
授乳について気になることや不安なことなどがありましたらいつでもお気軽にご相談ください。

 

朝夕はますます冷えてまいりますので、お体にお気をつけてお過ごしください。