
現在、国内では低用量ピル・超低用量ピル・中用量ピルなど、さまざまな種類のピルが流通しています。
特に、生理痛の緩和や避妊に使われるピルは、種類が多いため、「どれを飲むべきかわからない」と悩む女性は少なくありません。

最近の研究では、世代や相性による効果の差はないことが分かっており、どの低用量ピルでも避妊・生理痛の緩和の効果は期待できるとされています。
なお、ピルは医師があなたの状態に合わせて処方する「処方薬」に該当する薬なので、基本的に自分で種類を選ぶことはできません。
そのため、ピルの種類は受診前に決める必要がなく、医師の診察を受ければ、種類がよくわからなくても用途にあったピルの服用を始められます。

■注意事項等
当サイトではOC・LEPガイドライン2020に基づいた情報を提供しております。
当院(白子ウィメンズホスピタル)では低用量ピルのオンライン診療に対応しておりません。詳細は各サービスにお問い合わせください。
低用量ピルには血栓症などの重篤な副作用のリスクがあります。重篤な副反応が出た場合には医療機関の受診が必要になるため、かかりつけの産婦人科や婦人科をつくりましょう。
低用量ピルや超低用量ピルは種類によって違いはある?効果や副作用を紹介
低用量ピルや超低用量ピルは、種類によって「世代」と「相性」に違いがあります。
世代はピルに含まれるホルモンの種類による分類、相性はピルに含まれるホルモンの配合パターンによる分類です。
さまざまな世代・相性があるのは、体質によってホルモンの種類や配合パターンの違いで、副作用の出やすさに違いがあるためです。
| 世代 | 1相性 | 3相性 |
|---|---|---|
| 第1世代 ノルエチ ステロン | ルナベル ルナベルULD フリウェル フリウェルULD | シンフェーズ ※販売中止 |
| 第2世代 レボノル ゲストレル | ジェミーナ | アンジュ トリキュラー ラベルフィーユ |
| 第3世代 デソゲストレル | マーベロン ファボワール | ー |
| 第4世代 ドロスピレノン | ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ | ー |
人によって体質に合う黄体ホルモンの種類や配合パターンは異なり、飲んでみるまで副作用が出るのか・出ないのかはわかりません。
薬の成分を分解・代謝する能力には個人差があるので、同じ種類のピルを飲んでも、副作用が全く出ない人もいれば、服用を中止するほどの症状が出る人もいます。
目的や体質に合わせて選べるようにするため、ピルにはたくさんの種類があるのです。
【低用量ピル】
黄体ホルモンと卵胞ホルモンを主成分にした医療用医薬品。
【副作用】
低用量ピルのよくある副作用は、吐き気・腹痛・頭痛・不正出血・胸の違和感など。副作用は1~3か月程度で落ち着くことが多い。
【世代】
ピルに含まれている「黄体ホルモン」の種類による分類。数字が大きいほど、開発時期が新しい。
【相性】
ピルに含まれるホルモンの配合パターンによる分類。1相性のピルはすべての錠剤に同じ量のホルモンが含まれる。3相性のピルは、錠剤によって含まれているホルモンの量が違う。
低用量ピル(経口避妊薬)の避妊率は種類にかかわらず99%以上
国内で経口避妊薬として承認されている低用量ピルは現在5種類あり、種類にかかわらず避妊率は99%以上です。
ただし、頻繁に飲み忘れがあると効果が安定しなくなるため、避妊効果が得にくくなります。
| 薬剤名 | 避妊率 飲み忘れなし | 避妊率 飲み忘れあり |
|---|---|---|
| トリキュラー | 99.7% | 92% |
| アンジュ | 99.7% | 92% |
| ラベルフィーユ | 99.7% | 92% |
| マーベロン | 99.7% | 92% |
| ファボワール | 99.7% | 92% |
ピルに避妊効果が期待できるのは、「排卵抑制」の作用があるためです。
服用している期間は排卵が止まるので、性行為があっても受精せず、膣内射精でも妊娠することはほとんどありません。
すべての低用量ピル・超低用量ピルは生理痛の改善に使用可能
国内で流通しているすべての低用量ピル・超低用量ピルには、生理痛を改善する効果が期待できます。
種類にかかわらず生理痛を改善する効果が見込めるのは、子宮内膜を薄く保つ作用があるためです。

生理痛が起こるのは、子宮を収縮させる作用のある物質「プロスタグランジン」が原因です。
子宮内膜で作られるプロスタグランジンの量が多いと、子宮が過剰に収縮するため、生理中に下腹部の強い痛みを感じます。
ピルを飲めば子宮内膜が薄くたもたれて、プロスタグランジンが多量に放出されにくくなり、子宮の収縮が抑えられ痛みが軽減するのです。
PMSに効くピルの種類はヤーズ・ヤーズフレックスなど
PMS(月経前症候群)に効くピルの種類には、超低用量ピルの「ヤーズ」「ドロエチ」「ヤーズフレックス」が挙げられます。
ヤーズ・ドロエチ・ヤーズフレックスは第4世代に分類されるピルです。
PMSの治療向けのピルの種類
| 名称 | PMS | 避妊 | 生理痛 | 値段目安 (自費) | 分類 | 世代 (ホルモン名) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヤーズ | ◎ | ー | ◎ | 9,000~ 10,000円 | 超低用量ピル | 第4世代 ドロスピレノン |
| ドロエチ | ◎ | ー | ◎ | 4,000~ 5,000円 | 超低用量ピル | 第四世代 ドロスピレノン |
| ヤーズ フレックス | ◎ | ー | ◎ | 9,000~ 10,000円 | 超低用量ピル | 第四世代 ドロスピレノン |
いずれも、PMS治療を目的として服用する場合は保険適用外の自費診療です。
PMS治療の効果だけでなく避妊効果も期待したい場合は、病院やオンライン診療で医師に相談してください。
参考:月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針(日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会)/Management of Premenstrual Disorders: ACOG Clinical Practice Guideline No. 7. Obstet Gynecol.2023;142(6):1516-33.
低用量ピルと超低用量ピルの違いは?種類によって効果や副作用が異なる
低用量ピルと超低用量ピルでは、効果・副作用・値段などに違いがあります。
共通点は、生理痛を改善する効果が期待できることや飲み方、処方の際には医師の診察が必要であることなどです。
| 比較項目 | 低用量ピル (OC) | 超低用量ピル (LEP) |
|---|---|---|
| 避妊目的 での服用 | ◎ | × |
| 副作用 | 【不正出血】 超低用量ピルの方が起こりやすい 【その他の症状】 リスクは同等 | |
| 服用中の 出血の頻度 | 28日周期 | 28~120日周期 |
| 1か月の 値段目安 | 2,000〜 3,000円 | 4,000円〜 10,000円 |
| 薬剤例 | トリキュラー マーベロン | ヤーズ フリウェルULD |
【効果】超低用量ピルは避妊目的で服用できない
低用量ピルは避妊目的で服用できますが、超低用量ピルは避妊目的での服用は認められていません。
どちらのピルにも排卵を抑制する作用はあるため、理論上は超低用量ピルにも避妊効果が期待できます。
しかし、日本人を対象とした試験で超低用量ピルの避妊効果が確認されていないことから、国内で避妊を目的に服用できるのは低用量ピルのみとされています。
【副作用】超低用量ピルは不正出血のリスクがやや高い
低用量ピルと超低用量ピルを比較すると、超低用量ピルの方が不正出血のリスクが高いです。
不正出血のリスクが高いのは、配合されているホルモンの量が少なく、子宮内膜が安定しにくいためだと考えられています。
なお、ピルの種類によっても不正出血の起こりやすさは異なります。
たとえば、月経困難症の治療薬である低用量ピルの不正出血のリスクは60%程度です。
一方で、同じ成分の超低用量ピルの場合、不正出血のリスクは約80%とされます。
*参考:フリウェル添付文書
低用量ピルと超低用量ピルで血栓症のリスクに大きな差はない
低用量ピルと超低用量ピルの血栓症リスクに、大きな違いはないとされています。
血栓症は、血のかたまりが血管に詰まってしまうことが原因で起こる副作用です。
ピルには血を固める作用のあるホルモンが含まれることから、内服中は血栓症が起こりやすいとされています。

低用量ピルよりも超低用量ピルの方が、血栓症の原因となるホルモンの配合量が少ないです。
そのため、インターネット上には、超低用量ピルの方が血栓症が起こりにくいと解説する記事もあります。
しかし、ホルモンの量別に血栓症の発症率を比較した研究では、低用量ピルと超低用量ピルの発症率に大きな差はなかったと報告されています。
参考:Does the Dose of Estrogen Affect VTE Rates?(ASRM)
【生理】ピルの種類によって生理の頻度に違いあり
| ピルの種類 | 出血が起こる周期 |
|---|---|
| 低用量ピル | 28日周期 |
| ジェミーナ (超低用量ピル) | 28日~84日周期 |
| ヤーズフレックス (超低用量ピル) | 28日~124日周期 |
| その他の超低用量ピル | 28日周期 |
ピルは種類によって、生理(正しくは消退出血)が起こる頻度に違いがあります。
低用量ピル・超低用量ピルは、1か月に1回の頻度で休薬期間(偽薬期間)が設けられており、休薬期間になると生理のような出血が起こるよう設計されています。

※21錠シートの場合
超低用量ピルの「ジェミーナ」と「ヤーズフレックス」は、休薬期間を設けずに連続服用ができます。
休薬期間なしで服用が続けられる期間は、ジェミーナが最大77日間、ヤーズフレックスが最大120日間です。
連続服用をした場合、休薬期間の頻度が最大で77日または120日間隔になるため、生理のような出血も3〜4か月に1度のペースで起こることになります。
【値段】超低用量ピルの方が費用がやや高い
低用量ピルと超低用量ピルの値段を比較すると、超低用量ピルの方が高額になりやすい傾向があります。
特に値段が高くなりやすいのは、超低用量ピルのヤーズやヤーズフレックスです。
自費診療の場合には、1か月あたり10,000円程度かかるケースもあります。
ピル1か月あたりの平均価格
| 種類 | 低用量ピル | 超低用量ピル |
|---|---|---|
| 自費 診療 | 2,000~3,000円 | 4,000〜10,000円 |
| 保険 適用 | 400~600円 | 400~2,300円 |
※診察代や手数料などが別途かかります/保険適用の価格は薬価から算出した3割負担の目安金額です
低用量ピルのおすすめは?人気ランキング上位はファボワール
独自に行ったアンケート調査による低用量ピルの人気ランキングでは、1位がファボワール(23.3%)、2位がマーベロン(21.7%)という結果になりました。
ファボワールとマーベロンは同じ成分の低用量ピル(経口避妊薬)で、どちらも第3世代に該当します。

低用量ピル「ファボワール」
| 名称 | ファボワール |
|---|---|
| 種類 | 低用量ピル 第3世代/1相性 |
| 効果 | 避妊 |
| 副効果 | 生理痛/PMS/生理不順/ ニキビ等の改善 |
| 副作用 | 頭痛/倦怠感/眠気/ 腹痛/不正出血/血栓症など |
ファボワールは、第3世代の1相性に分類されるジェネリック医薬品の低用量ピルです。
先発品の低用量ピルよりも低価格であり、1か月あたり2,000円程度で処方してもらえる病院もあるので、コストを抑えたいと考えている方に向いています。
また、飲み方が簡単で飲み間違いが起こりにくいため、初めてピルを飲む方にも人気があります。
低用量ピル「マーベロン」
| 名称 | マーベロン |
|---|---|
| 種類 | 低用量ピル 第3世代/1相性 |
| 効果 | 避妊 |
| 副効果 | 生理痛/PMS/生理不順/ ニキビ等の改善 |
| 副作用 | 頭痛/倦怠感/眠気/ 腹痛/不正出血/血栓症など |
マーベロンは、ファボワールの先発品に当たる第3世代の低用量ピルです。
効果や副作用はもちろん、飲み方もファボワールと変わりません。
日本では2005年に発売されており実績が豊富なことから、数多くの産婦人科や婦人科で取り扱われています。
低用量ピル「トリキュラー」
| 名称 | トリキュラー |
|---|---|
| 種類 | 低用量ピル 第2世代/3相性 |
| 効果 | 避妊 |
| 副効果 | 生理痛/PMS/生理不順/ ニキビ等の改善 |
| 副作用 | 頭痛/倦怠感/眠気/ 腹痛/不正出血/血栓症など |
トリキュラーは、第2世代に分類される低用量ピルで、1999年に発売されました。
日本だけでなく海外でも経口避妊薬として流通しており、有効性や安全性に関する情報が豊富です。
なお、トリキュラーは3相性のピルなので、飲み忘れたときの対処法がやや複雑などのデメリットもあります。
低用量ピル「ラベルフィーユ」
| 名称 | ラベルフィーユ |
|---|---|
| 種類 | 低用量ピル 第2世代/3相性 |
| 効果 | 避妊 |
| 副効果 | 生理痛/PMS/生理不順/ ニキビ等の改善 |
| 副作用 | 頭痛/倦怠感/眠気/ 腹痛/不正出血/血栓症など |
ラベルフィーユは、トリキュラーのジェネリック医薬品です。
トリキュラーと効果や副作用は同一で、避妊や生理痛の改善などを目的に使用されます。
価格は医療機関によって異なりますが、トリキュラーより数百円安く設定されていることが多いです。
超低用量ピル「ヤーズ」
| 名称 | ヤーズ |
|---|---|
| 種類 | 超低用量ピル 第4世代/1相性 |
| 効果 | 月経困難症 |
| 副効果 | 生理痛/PMS/生理不順/ ニキビ等の改善 |
| 副作用 | 頭痛/倦怠感/眠気/ 腹痛/不正出血/血栓症など |
ヤーズは第4世代に分類される超低用量ピルの1つで、月経困難症の治療のほか、生理痛やPMSの緩和にも使われます。
第4世代はピルの中でもPMSへの有効性が高いとされており、高い治療効果が期待できます。
一方で、国内では避妊効果の承認を受けていないため、避妊目的では処方してもらえません。
40代からは低用量ピルや超低用量ピルの服用は慎重投与
ピルの副作用の1つである「血栓症」は、年齢が上がると起こりやすくなる傾向があります。
血栓症の発生リスクは30代と比較すると、40〜44歳で1.5倍、45歳からは2倍程度だと言われています。
加齢により血栓症のリスクが高まることから、40代以降でピルの処方を希望される方は病院で相談をしましょう。
参考:OC・LEPガイドライン2020(CQ502)
ピルは種類によって保険適用の可否や値段が違う
ピルは種類によって、保険適用されるものもあれば、自費診療で処方されるものもあります。
低用量ピル(OC)やミニピル、アフターピルは、種類や利用目的に関わらず保険適用外です。
一方で、「LEP(低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬)」に該当する超低用量ピルなどは、条件次第で保険適用となります。
| 分類 | 保険適用 の条件 | 薬剤例 |
|---|---|---|
| 低用量ピル (OC) | ー | トリキュラー マーベロン |
| 低用量ピル (LEP) | 月経困難症 | ルナベルLD フリウェルLD |
| 超低用量ピル (LEP) | 月経困難症 子宮内膜症 | ヤーズ ヤーズフレックス フリウェルULD ジェミーナ |
| ミニピル | ー | スリンダ |
| 中用量ピル | 月経困難症 など | プラノバール |
| アフターピル | ー | ノルレボ レボノルゲストレル |
低用量ピル(OC)は自費診療で2,000〜3,000円が目安
低用量ピル(OC)は病院でも保険適用外で、費用の目安は1か月あたり2,000〜3,000円程度です。
健康保険が適用されないのは、避妊が「病気」の治療に該当しないためです。
また、国が認めた効果・効能で以外で薬を使用する場合も保険適用外となるため、生理痛やPMSなど効果の承認を受けていない症状の治療も保険適用外となります。
▼低用量ピル(OC)の保険適用の可否
| 避妊 | ✕ |
|---|---|
| 生理痛の緩和 | ✕ |
| PMSの治療 | ✕ |
| 月経困難症 | ✕ |
| 子宮内膜症 | ✕ |
低用量ピル・超低用量ピル(LEP)は保険適用で500〜2,500円が目安
月経困難症や子宮内膜症の治療に用いる場合、超低用量ピル(LEP)は保険適用されます。
保険適用されると自己負担額が3割となるため、1シートあたり500〜2,500円程度で処方してもらえます。
▼超低用量ピル(LEP)の保険適用の可否
| 避妊 | ✕ |
|---|---|
| 生理痛の緩和 | ✕ |
| PMSの治療 | ✕ |
| 月経困難症 | ◎ |
| 子宮内膜症 | ◯ ※一部のみ |
なお、保険適用されるのは、医師が問診や内診・血液検査の結果を確認した上で、疾患の治療にピルが必要と判断した場合のみです。
日常生活に支障が出るレベルの生理痛に悩んでいる場合には、月経困難症の可能性があります。
問診のみでは判断できない場合も多いので、保険適用を希望している場合は、病院で一度検査を受けることをおすすめします。
低用量ピルのジェネリック医薬品【一覧】値段の安さが特徴
低用量ピル(経口避妊薬)のジェネリック医薬品は、「ラベルフィーユ」と「ファボワール」の2つです。
ジェネリック薬品は「後発品」に該当する薬で、先に作られた薬の有効成分と同じ成分で作られています。
有効成分を同じにすることで先発品よりも開発費が抑えられているジェネリック医薬品は、先発品よりも安く処方してもらえます。
低用量ピルの種類
| 名称 | 分類 | 1か月の目安額 (1シート) |
|---|---|---|
| トリキュラー | 先発品 | 2,500〜 3,000円 |
| ラベルフィーユ | ジェネリック 医薬品 | 2,000〜 3,000円 |
| アンジュ | 先発品 | 2,500〜 3,000円 |
| マーベロン | 先発品 | 2,500〜 3,000円 |
| ファボワール | ジェネリック 医薬品 | 2,000〜 3,000円 |
「ラベルフィーユ」はトリキュラーのジェネリック医薬品で、「ファボワール」はマーベロンのジェネリック医薬品です。
医療機関によって値段は異なりますが、それぞれ先発品よりも数百円安く処方してもらえます。
なお、有効成分の種類と量が同一のピルは、期待できる効果や副作用も同じです。
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| アフターピル の種類 | レボノルゲストレル エラ |
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ピルの種類は大きく5つ!低用量ピルとの使い分け方も解説
日本で流通しているピルは、低用量ピル・超低用量ピル・ミニピル・中用量ピル・アフターピルの5つに分類されています。
どのピルにも共通で「女性ホルモン」が有効成分として配合されていますが、それぞれホルモンの種類や量が異なります。
たとえば、低用量ピルは「黄体ホルモン」「卵胞ホルモン」の2種類が配合されていることが特徴です。
ピルの種類
| 分類 | 主な効果 | 黄体 ホルモン | 卵胞 ホルモン |
|---|---|---|---|
| 低用量ピル | 避妊 | ◎ | ◎ 0.03〜0.05mg |
| 超低用量ピル | 月経困難症 | ◎ | ◎ 0.03mg未満 |
| ミニピル | 避妊 | ◎ | ー |
| 中用量ピル | 月経困難症 月経周期異常 不正出血など | ◎ | ◎ 0.05mg以上 |
| アフターピル | 緊急避妊 | ◎ | ー |
超低用量ピル(種類一覧・効果・副作用)
超低用量ピルは、配合されている卵胞ホルモンの量が0.03mg未満のピルのことです。
月経困難症の治療に使われるほか、一部は子宮内膜症の治療にも用いられています。
日本で使用されている超低用量ピルは、ルナベルULD・ヤーズ・ヤーズフレックスなど合計6種類です。
| 種類 | ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ ジェミーナ ルナベルULD フリウェルULD |
|---|---|
| 効果 | 月経困難症 子宮内膜症 |
| 副効果 | 生理痛の緩和 PMSの改善 |
| 副作用 | 不正出血 頭痛 吐き気 腹痛 血栓症など |
超低用量ピルと低用量ピルの違い
超低用量ピルは、低用量ピルと卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量に違いがあります。
低用量ピルは卵胞ホルモンが0.03〜0.05mg未満で、超低用量ピルは0.03mg未満です。
| 薬剤 | 超低用量ピル | 低用量ピル |
|---|---|---|
| 卵胞 ホルモン | 0.03mg 未満 | 0.03〜 0.05mg未満 |
| 避妊目的 での処方 | × | ◎ |
また、避妊目的での処方の可否も超低用量ピルと低用量ピルの大きな違いです。
日本人を対象とした超低用量ピルの避妊効果を確認するための研究が不十分であることから、超低用量ピルは避妊目的での処方が認められていません。
ミニピル(種類一覧・効果・副作用)
ミニピルは、避妊効果が期待できるピルの1つです。
国内では2025年に「スリンダ錠」がミニピルとして初めて承認されました。
スリンダ錠は、血栓症の原因となる成分(卵胞ホルモン)を含んでいないことが特徴です。
| 種類 | スリンダ |
|---|---|
| 効果 | 避妊 |
| 副作用 | 不正出血 頭痛 吐き気 腹痛など |
ミニピルと低用量ピルの違い
ミニピルと低用量ピルの違いは、含まれているホルモンの種類です。
低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つが含まれますが、ミニピルに含まれているのは黄体ホルモンのみです。
| 薬剤 | ミニピル | 低用量ピル |
|---|---|---|
| 卵胞 ホルモン | なし | あり |
| 黄体 ホルモン | あり | あり |
| 血栓症 リスク | ほぼなし | あり |
卵胞ホルモンには、血を固める作用があるので、副作用で血栓症が起こることがあります。
ヘビースモーカーや40代以上の方は特に血栓症のリスクが高いことから、低用量ピルの服用ができないケースも存在しました。
しかし、ミニピルは血栓症の原因となる成分が含まれないため、ヘビースモーカーや40代以上の方でも服用できるのです。
中用量ピル(種類一覧・効果・副作用)
中用量ピルは不正出血、月経困難症、月経周期異常などに使用されるピルです。
旅行やイベントなど、生理日を変更させたい場合に使用することもあります。
なお、国内で流通している中用量ピルは、「プラノバール」のみです。
| 種類 | プラノバール |
|---|---|
| 効果 | 月経移動※未承認 月経困難症 子宮内膜症 |
| 副作用 | 不正出血 頭痛 吐き気 腹痛 血栓症など |
中用量ピルと低用量ピルの違い
中用量ピルと低用量ピルの違いは、含まれているホルモンの量です。
1錠あたりに含まれるホルモンの量が多い中用量ピルは、副作用が出やすいため、低用量ピルのような使い方はできません。
中用量ピルは長期的に服用するのではなく、数日~3週間ほど服用するような使い方をします。
アフターピル(種類一覧・効果・副作用)
アフターピルは、避妊に失敗した際、性行為から72〜120時間以内に内服する緊急避妊薬です。
服用すると一時的に排卵が抑制されるため、性行為をしても受精卵ができず、望まない妊娠を回避できます。
なお、受精卵が着床(=妊娠)してから飲んでも避妊効果は得られないため、できるだけ早く服用することが大切です。
| 種類 | ノルレボ レボノルゲストレル エラ エラワン |
|---|---|
| 効果 | 緊急避妊 |
| 副作用 | 不正出血 頭痛 吐き気 腹痛など |
日本で承認されているアフターピルは、「ノルレボ」「レボノルゲストレル」の2種類のみです。
厚生労働省の承認はありませんが、一部の産婦人科や婦人科では、海外製のアフターピル「エラ」「エラワン」なども取り扱いがあります。
アフターピルと低用量ピルの違い
アフターピルと低用量ピルの違いは、服用するタイミングや使い方です。
アフターピルは性行為後に服用することで、5~7日ほど排卵を抑制し、一時的に妊娠を回避します。
低用量ピルは、性行為の有無にかかわらず毎日継続して内服することで、持続的な避妊効果が期待できる薬です。
| 種類 | アフターピル | 低用量ピル |
|---|---|---|
| 服用する タイミング | 性行為から 72時間以内 | 毎日 |
| 避妊効果 | 一時的 (数日) | 持続的 (服用期間は継続) |
【ピルの種類を変える方法とタイミング】合わないときに出る症状とは?
副作用が数か月続いたり、症状が強く出て日常生活に支障をきたしたりしているのなら、ピルの種類を変えるタイミングです。
副作用はピルが体に合っていないから出るものではなく、薬の影響による一時的な体の正常な反応とされます。
そのため、副作用が出てもすぐにピルを変えるのではなく、1〜3か月は様子を見るのが一般的です。
- 副作用が数か月続く
- 症状が日常生活に悪影響を出している
なお、発疹やかゆみなどの「薬疹(やくしん)」の症状が現れた場合には、直ちに服用を中止し医療機関を受診する必要があります。
薬疹とはいわゆるアレルギー反応のことで、ピルが体に合っておらず、免疫反応が過剰に働いて起こるとされます。
放っておくと命に関わることもあるので、必ず医師に相談してください。
【ピルの種類変更が必要なケース】つらい副作用が3か月以上続く
強い吐き気や頭痛が3か月ほど続くようであれば、ピルの種類変更を検討しましょう。
ピルに含まれるホルモンの種類によって起こりやすい副作用は異なり、種類を変えることで症状が落ち着くことがあります。
なお、ピルの変更は自己判断で行わず、必ず医師に相談してください。
参考:第1章低用量経口避妊薬(OC)とは(一般的有効性及び安全性)
【ピルの種類変更の方法】前のシートを飲みきってから飲み始める
ピルの種類を変更する場合には、前のシートを全て飲み切ってから新しいピルを内服します。
前のシートが、休薬期間が必要なピルである場合、休薬期間後に新しいピルの内服を開始してください。
【ピル変更時の注意点】飲み始めは副作用が起こりやすい
新しい種類のピルに変更した場合、飲み始めはホルモンバランスが安定しにくく、副作用が起こりやすいです。
一時的に頭痛や吐き気などの症状が出るかもしれませんが、内服を継続しているうちに徐々に落ち着いてきます。
ホルモンバランスが安定するよう、ピルはできるだけ毎日同じ時間に飲むようにしましょう。
ピルは全部で何種類?一覧や特徴に関するQ&A
現在国内で承認されているピルは15種類以上あり、それぞれ効果・副作用・値段に違いがあります。
2025年には国内で初となるミニピルの「スリンダ錠」が承認され、注目を集めています。
また、2026年には新しくヤーズフレックスのジェネリック医薬品である超低用量ピルが発売予定です。
| 分類 | 薬剤名 |
|---|---|
| 低用量ピル (経口避妊薬) | ・シンフェーズ※販売中止 ・トリキュラー ・ラベルフィーユ ・マーベロン ・ファボワール |
| 低用量ピル (治療用) | ・ルナベルLD ・フリウェルLD |
| 超低用量ピル | ・ルナベルULD ・フリウェルULD ・ヤーズフレックス ・ジェミーナ ・ヤーズ ・ドロエチ |
| ミニピル | ・スリンダ |
| 中用量ピル | ・プラノバール |
| アフターピル | ・ノルレボ ・レボノルゲストレル |
太りやすいピルの種類は?
むくみや食欲増進などの副作用があり、「太りやすい」と感じるピルの種類には、第1世代、第2世代のピルが挙げられます。
一方で、むくみや食欲増進などの副作用の発現率が低いのは、第3世代、第4世代のピルです。
| 世代 | 副作用 | 名称 |
|---|---|---|
| 第1世代 | むくみ:0.1〜5%未満 体重増加:0.1〜5%未満 食欲亢進:頻度不明 | ルナベル フリウェルなど |
| 第2世代 | むくみ:1〜5%未満 体重増加:1〜5%未満 食欲亢進:1%未満 | トリキュラー アンジュなど |
| 第3世代 | むくみ:0.1〜5%未満 体重増加:0.1〜5%未満 食欲亢進:なし | マーベロン ファボワールなど |
| 第4世代 | むくみ:1%未満 体重増加:なし 食欲亢進:なし | ヤーズ ドロエチなど |
*副作用の発現率は添付文書より引用
なお、ピルの副作用でむくみが起こり一時的に体重が増えることはありますが、副作用で脂肪を溜め込んで太ることはないと考えられています。
副作用は一時的なものであることが多く、ピルを飲んでいるからといって、どんどん太ることは基本的にありません。
むくみがひどい場合には、お薬で対処することもできるので、症状が強く出た際には医師に相談してみましょう。
超低用量ピルに避妊効果はある?
超低用量ピルには排卵を抑制する作用があるので、一定の避妊効果があると考えられています。
しかし、日本では超低用量ピルの避妊効果を厚生労働省が承認していないため、避妊目的では処方されません。
また、海外の人と日本人では体質が異なり、同等の避妊効果が得られるとは限らないため、避妊目的で飲むならトリキュラーやマーベロンを利用しましょう。
低用量ピルのデメリットは?
低用量ピルのデメリットには、飲み始めの吐き気、頭痛、不正出血などの副作用があることが挙げられます。
- 副作用のリスクがある
- 血栓症
- 吐き気
- 頭痛
- 腹痛
- 不正出血
- 服用継続のために定期的な受診が必要
- お金がかかる
- 性感染症は防げない
- 毎日欠かさずに服用が必要
重要な副作用として血が血管内で固まってしまい、血管を詰まらせてしまう血栓症を引き起こす可能性も。
もし、ふくらはぎの急激な痛み、息苦しさ、胸の痛みなどを感じたらすぐに病院を受診してください。
フリウェルの種類は低用量ピルと超低用量ピルのどっち?
「フリウェルLD」は低用量ピル、「フリウェルULD」は超低用量ピルです。
フリウェルの種類
| フリウェルLD | 低用量ピル |
|---|---|
| フリウェルULD | 超低用量ピル |
どちらも月経困難症に使用するピルで、効果に大きな違いはありません。
副作用の発現率はやや異なり、フリウェルULD(超低用量ピル)の方が、不正出血のリスクが高いとされます。
ドロエチの種類は低用量ピルと超低用量ピルのどっち?
「ドロエチ」の種類は、超低用量ピルです。
ドロエチはヤーズのジェネリック薬品で、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として処方されます。
なお、避妊用のピルではありませんが、排卵抑制の作用があるため一定の避妊効果は期待できます。
参考:SELECT THE REQUIRED INFORMATION
ピルを飲むと生理は止まる?
多くの場合、ピルを飲んでも生理が完全に止まることはなく、1か月に1回は生理のような出血が起こります。
出血が起こるのは子宮内に作られる「子宮内膜」が、定期的に剥がれ落ちるためです。
ピルを飲んでも子宮内膜の厚みは多少増すため、一定期間ごとに生理のような出血が起こります。

ほとんどの低用量ピル・超低用量ピルには、休薬期間(偽薬期間)があります。
休薬期間は1か月のうち7日間で、この期間に出血が起こります。
【まとめ】低用量ピルの種類や特徴の一覧!世代や相性ごとの分類表
現在日本で承認されているピルは、ミニピルを含めると15種類以上あります。
世代、相性によりそれぞれ分類されており、エストロゲンの含有量によって低用量ピル、超低用量ピルに分かれます。
ピルの世代による分類
| 世 代 | 商品名(LEP) | 商品名(OC) |
|---|---|---|
| 第 1 世 代 | ルナベル ルナベルULD フリウェル フリウェルULD | シンフェーズ |
| 第 2 世 代 | ジェミーナ | アンジュ トリキュラー ラベルフィーユ |
| 第 3 世 代 | ー | マーベロン ファボワール |
| 第 4 世 代 | ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ | ー |
ピルの相性による分類
| 相 性 | 商品名 (LEP) | 商品名 (OC) |
|---|---|---|
| 1 相 性 | ルナベルLD ルナベルULD フリウェルLD フリウェルULD ジェミーナ ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ | マーベロン ファボワール |
| 3 相 性 | ー | シンフェーズ アンジュ トリキュラー ラベルフィーユ |
■参考文献
・Comparative effectiveness and safety of different progestins in combined oral contraceptives: a systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials
・The venous thrombotic risk of oral contraceptives, effects of oestrogen dose and progestogen type: results of the MEGA case-control study
■法的記載事項
本サイトで紹介しているピルの一部は未承認医薬品に該当します。
・低用量ピル
| 未承認医薬品等異なる目的での使用 | 低用量ピル(経口避妊薬)は、生理痛・PMS・生理不順・ニキビの改善等の効果・効能の承認を受けていません。 |
|---|---|
| 入手経路等 | 国内医薬品販売代理店 |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 国内で認可されている同一成分の医薬品はございません。 |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 頭痛、吐き気、不正出血、乳房の張り、血栓症などのリスクがあります。 |
| 医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。 |
・超低用量ピル
| 未承認医薬品等異なる目的での使用 | 超低用量ピルは、生理不順・ニキビ・PMS改善、避妊の効果・効能の承認を受けていません。 |
|---|---|
| 入手経路等 | 国内医薬品販売代理店 |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 国内で認可されている同一成分の医薬品はございません。 |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 頭痛、吐き気、不正出血、乳房の張り、血栓症などのリスクがあります。 |
| 医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。 |
・中用量ピル
| 未承認医薬品等異なる目的での使用 | 中用量ピルのプラノバールは、月経移動の効果・効能の承認を受けていません。 |
|---|---|
| 入手経路等 | 国内医薬品販売代理店 |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 同一成分で月経移動の効果の承認を受けている医薬品は国内にありません。 |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 頭痛、吐き気、不正出血、乳房の張り、血栓症などのリスクがあります。 |
| 医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。 |
・アフターピル
| 未承認医薬品等異なる目的での使用 | エラワン・エラなど120時間まで有効なアフターピルは、国内での承認がない自由診療の医薬品です。 |
|---|---|
| 入手経路等 | 国内医薬品販売代理店 |
| 国内の承認医薬品等の有無 | ノルレボ錠 レボノルゲストレル錠 |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 頭痛、吐き気、不正出血、乳房の張りなどのリスクがあります。 |
| 医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。 |